暑い日が9月になっても続き、いい感じで雨も降り、田んぼの草やカエルや昆虫たちにもいい気候のよう。
稲刈の済んだ田んぼのあぜ道は、雑草が稲のように伸び、覆っていたりします。
我が田んぼは、大きな平面は草刈り機で刈り、細かい所は鎌を使うこともしばしば。
鎌を使っていると、地面と対面するので、色々と見えてくることも考えることもあります。
「雑草」という名の草はない
よく聞く言葉ですよね。もちろん色々な草が混在していて、中にはかわいい花をつけ、刈るにはもったいない草や名前が思いつく草も有りますが、ほとんどの草の名前がわかりません。
地面に這いつくばって横に勢力を伸ばす草。背が高く稲やススキのように上に伸びながらも地下茎で繋がり横に伸びる草。ツルがどんどん伸びて、ツルの先から根を出し横に伸びていく草。きれいな花を咲かせ虫たちの力を借りて増殖する草。タンポポのようにたくさんの種を風に乗せてまき散らす草。中には、地下に2~3年位眠って、ここぞという環境が来たら発芽する種を持つ草もあるらしい。
こう考えると、雑草のイノチを繋ぐpowerは半端ない。
近未来映画の環境破壊された都市が、あっという間に雑草で覆い尽くされることも現実味を帯びてくる。いつも散歩する田んぼの近くの堤防の上は、いつの間にか増殖した「葛」のツルと野ばらのツルに覆われ始めています。「葛」はくず粉になるアレです。買うと高いくず粉。このツルの根元には葛の根っこがあるのだろうけれど、樹林のように草で覆われた中に入る勇気は、ワタシには無い。
送電線の鉄柱が遠くに見えて、霞んで小さく街も見える。その間には大きな川が流れ、その河原は草で覆われている。大きく立つ木にも巻き付き、いつかあの木も養分を吸われて陽を遮られて枯れてしまうのかも?
雑草ネットワーク
田んぼのほとんどを覆う雑草ネットワーク。草刈りして上部を刈り取った地面にはこんな感じで草が長く絡まっている。ググっと引っ張り持ち上げると芋づる式に草が地面から引き剥がれ、根元を鎌でかき切る。それが楽しくって、暑い中、雑草の山を作っています。
雑草を引きはがしながら、気づいたこと。
土が固く固まっているというより、少し柔らかく、ふわふわとした感じで空気を含んでいるよう。
悪いやつだと思っていたけれど、もしや良いこともしているのでは?
雑草の土壌への影響を調べてみたところ
- 土壌の保護・・・土壌表面を覆い、風や雨の浸食を防ぐ
- 有機物の供給・・・枯れた雑草は分解されて有機物となり、土壌の栄養分になる
- 土壌の構造改善・・・雑草の根が土壌をほぐし、通気性や排水性を改善する
- 微生物の活動促進・・・雑草の根や有機物が微生物の活動を活発にし、土壌を健康にする
- 土壌の水分保持・・・土壌の表面を覆い、水分の蒸発を抑える
雑草を上手に使って土壌の酸性度を調整したり、自然農法には雑草に負けない強い農作物を作る方法もある。
ワタシも、雑草を無駄にせず、コンポストを作ってその中に雑草や土少々をかぶせ、米ぬかを混ぜて、冬前には土に戻しています。
では、雑草は放っておいてもいいじゃない?と思いますよね。もちろん枯れない草は少ないので放っておいてもいいのですけど、地域をきれいに保つこと。雑草が隣近所の稲や農作物に悪影響を与えないように、などの配慮から地域の活動の一環として、草刈りは定期的に行うという慣例らしい。
ワタシも、農地拡大のためと、野菜たちに悪さをしないようにに、草刈りに励んでいます。
なにより、この作業がお気に入り!
サウナでも汗をかけないワタシが、汗だくになる。その爽快感が一つ。
次に、単純作業の繰り返しなのに、終われば清々とした空間が出来上がっていて、「やったぁ」という達成感がわくこと。短い時間で幸せな気持ちになれること。夜、深くよく眠れること。
パソコンに向かっていることの多いワタシには、生活のバランスやカラダのバランスがとれるようです。
引き換えに、日焼け止めや長そでシャツを通して、茶色くなるワタシのカラダ。
この夏は、顔まで焼けた!
その昔、夏と同時に海に通っていたあの頃の色に戻ったワタシ。
はてさて、この秋、どれだけのしわ寄せが来るのか ~怖いなぁ~
おまけに一枚。か弱そうなコスモスの茎から、土を目指して伸びた根を見てください。ものすごい力を感じませんか?
表面はしなやかにさりげなく、見えないところでこんなにもたくましい生きる力に溢れてる・・・今更ながらコスモスから学ぶ、変なワタシです。
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