大豆発酵食品「テンペ」

日本で、大豆で発酵したものと言えば「納豆」。
実はアジアには納豆と似て非なるものがいくつかあります。

こんな本もあります。
「謎のアジア納豆--そして帰ってきた<日本納豆>」高野秀行著 新潮社
その中でワタシのお気に入りの「テンペ」を紹介します。

癖が無くてポクポクと栗のような食感で、日本の納豆とは違いチーズに近いかも?
地元産の丸々とした大豆を見ると、テンペが作りたくなります。

テンペ菌と大豆
目次

納豆菌とテンペ菌の違い

納豆は「納豆菌」で大豆を発酵させたものということはご存じですよね。カラダに良いということで毎日欠かさない人も多いはず。大豆の効能は、「大豆イソフラボン」に代表される女性ホルモンのエストロゲンに似ている成分が豊富なことですね。また、ナットウキナーゼという成分が、血液をサラサラにするいうことでサプリにもなっています。

では、「テンペ」は?
初めて聞く人も多いはず。インドネシアの納豆という方もいます。
日本では、10数年前に一度ブームが来て、納豆メーカーさんがこぞって商品化してスーパーに並んだのですが、今は、健康食品売り場かネットで見るくらいになりました。
根強いファンは多く、菜食主義の方たちには愛用者が多いようです。

テンペは「テンペ菌」という、ハイビスカスやバナナの葉っぱの後ろについている菌で大豆を発酵させます。
「菌」といっても、テンペ菌は、カビの仲間の菌。チーズのカビのようなもの。
納豆菌は、大豆のたんぱく質を分解しながら発酵させる細菌・バクテリアの一種。たんぱく質を分解する時に出る匂いが、納豆独特の匂いです。それに比較して、テンペは無臭に近く、大豆特有の味も薄く、食感はほくほくとした食感です。出来上がりがブロックのチーズのような形なので、どんなお料理にも使える優れモノだと思います。

今、はやりの肉もどきの大豆ミートに比べると、戻しもいらないし、大豆ミートのように油を搾った後の大豆ではないので、栄養価も高いものになっています。

ワタシは、薄く切って、素揚げにして塩・胡椒や、砂糖と醤油やみりんで照り焼きにしてハンバーガー風や照り焼き丼がお気に入り。夏は湿気もあり発酵が進むので手作りしますが、涼しい時期は発酵がうまくいかないこともあるので、レトルトパックのものを使います。冷凍のものも出回っているようです。

ワタシはこちらでお世話になってます。花福 マルシン食品 (ms-hana.co.jp)
新潟にある食品メーカーで、このテンペの開発時や発芽玄米おかゆや発芽玄米のおもちの開発も一緒にしていただいた会社です。
こちらのテンペは、自然食の専門店やアマゾンなどで販売していて、時々近所のスーパーに並ぶこともあります。

テンペの期待される主な成分は

  • ビタミンB群が豊富   抗酸化作用・コレステロール抑制
  • ミネラルが豊富    カルシウム、カリウム、鉄など
  • GAVA ギャバ    抑制精神伝達物質が含まれ精神安定と脳の血流向上  
  • イソフラボン    テンペ菌の発酵で吸収されやすい。更年期障害緩和

納豆と同様、成分は大豆で共通なので、基本的には同じような成分になります。
どちらも発酵の過程で、微生物がでんぷんやタンパク質を分解し、アミノ酸や糖分を新しいものに生まれ変わらせます。

テンペの魅力

テンペがヴィーガンや自然食の人たちに、なぜ好まれるかというと、低脂肪で高タンパク食品で、肉の代わりとして調理しやすいことも大きいと思います。他にも陰性とか陽性とかという考え方もありますけれど。

牛肉と比較すると、タンパク質は肉の方が多いのですが、でも、よく考えてください。大豆は野菜なんですよ。脂質も食物繊維も野菜ならではの数値ですよね。ダイエット中の方は、このスーパーフードの「テンペ」を活用してみてくださいね。ペットにも植物性タンパク質でバランスの良い食材だと思います。我が家のワンコはテンペ好きですよ。
  

タンパク質脂質食物繊維
牛肉16.5g26.1g0g
テンペ15.8g9g10.2g
可食部100g当たり

テンペの作り方

作り方は単純です。温度と湿度管理ができれば発酵します。
ただし、ちりめん山椒と一緒です。素材の下ごしらえに少々手間がかかります。
気長にやりましょう。

材料

テンペ    500g
テンペ菌   1~1.5g・・テンペ菌は事前に片栗粉や上新粉と混ぜて10g程度に増やしておく。
酢      200ml ※腐敗防止の役割もあり

作り方

1.大豆をよく洗う
2.洗った大豆を100mlの酢を混ぜたたっぷりの水に浸す。
  夏は7~8時間程度
3.大豆の薄皮を丁寧にむく。※これが手間ですこれをすることでテンペ菌が付きやすくなるので頑張りましょう。皮付きでも可
4薄皮をむいた大豆と酢100mlを加えたたっぷりとした水を張った鍋に入れて弱火で1時間程度煮る。
5.指でつぶれるような硬さになったら、ざるに引き上げて表面の水分を乾かし、40℃程度まで温度を下げる。
6.ジップロックの袋にフォークなどで穴をたくさんあけておく
7.6.のジップロックとは別のビニール袋に大豆と片栗粉などと混ぜたテンペ菌を入れてよく振り、テンペ菌がまんべんなくいきわたるようにする。
8.6.のジップロックに7.のテンペ菌のついた大豆を入れる。四角く形を作ってジップロックを閉じる
9.32℃程度の保温で24時間程度置く。保湿器のある方は温度設定とタイマー管理してください。
 ※ワタシの場合はお風呂にお湯をはったまま、お風呂の蓋の上に置いて発酵させます。
10.大豆の表面を白い菌糸が覆いつくし、ブロック状に固まっていれば完成。
 もし固まらず、バラバラの豆の状態でも調理は可能です。
 ただし、良い発酵の場合は白い菌糸ですが、悪い発酵をしていると黒ずんだ菌糸になります。
 黒ずんだ菌糸は食べないで下さいね。冷凍したものは1か月程度で食べる切るようにしましょう。
以前作ったときの写真です。この時は大量に作りバットで作りました。

レシピは限りなく

硬いチーズのような形なので、色々な形にカットして、焼いたり揚げたり煮込んだり、すりつぶしてソースやデザートにしたり、形を変えて使えます。
癖がないのでどんなお料理にも使える使い勝手の良い健康的なスーパーフードのテンペです。
お見知りおきください。
※写真はピンタレストより転載

よかったらシェアしてね!

この記事を書いた人

30数年、人生の半分以上を東京で過ごし、
20代は普通のちゃらーっとしたバブル期のOL。
30代はリゾート開発、ウエルネス普及活動の仕事、
40代でフリーになり、ウエルネス関連商品開発や
イベント企画、施設運営に携わってきました。
60代半ばで、ちょっと一休み。
もっと、自分らしく楽しい時間を作りたくて、
田んぼに遊ぶ場所を作ります。
オトナだって遊びたい!
田んぼの中で泥んこになっても気にせず笑える、そんな時間が欲しい。とココロから思えたから。

コメント

コメントする

目次